⑪ 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について
生成AIを安心して使おう!個人情報保護委員会の注意喚起をわかりやすく解説
生成AIが日常生活や仕事にどんどん入り込んできた2023年、個人情報保護委員会が初めて本格的な注意喚起を出しました。 G7広島サミットで国際的に生成AIのガバナンスが話題になった直後のタイミングで、個人情報保護の観点から「こう使ってほしい」というメッセージを発信しています。
この記事では、個人情報取扱事業者・行政機関・一般ユーザーそれぞれに向けたポイントを、初心者でもわかりやすい言葉でまとめました。 リスクを正しく知って、生成AIを上手に活用していきましょう。
ガイドブックの基本情報
タイトル:生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について発行元:個人情報保護委員会発行日:令和5年6月2日(2023年6月2日)バージョン:記載なし(初版)対象者:個人情報取扱事業者・行政機関等・一般利用者総ページ数:6ページ(本文1頁+別添1が3頁+別添2が2頁)
なぜ今、この注意喚起が必要なのか
2023年当時、ChatGPTをはじめとする生成AIが爆発的に普及していました。 便利な一方で、「プロンプトに入力した個人情報がどう扱われるか」が不透明だったため、個人情報保護委員会がイノベーションを応援しつつ、個人の権利を守るバランスを取るためにガイドを示した形です。
1. 個人情報取扱事業者が気をつけるべきこと
事業者として生成AIを使う場合、特に以下の点に注意が必要です。
- プロンプトに入力する個人情報は、事前に決めた利用目的の範囲内か確認する
- 本人の同意がない個人データを入力するときは、「機械学習に使われない」ことをサービス側にしっかり確認する
確認を怠ると、個人情報保護法違反になる可能性があります。
実践的なポイント 例えば顧客の氏名・住所・購買履歴などをプロンプトに入力して分析したい場合、事前に「このデータは学習に使われませんか?」とサービス提供者に問い合わせ、回答を記録しておくと安心です。
2. 行政機関等が守るべきルール
行政機関や独立行政法人などは、より厳格な対応が求められます。
- 個人情報を含むプロンプトの入力は必要最小限に留める
- 入力した情報が機械学習などに使われないかを、サービス提供者に十分確認する
万一、確認不足で個人情報が学習に使われてしまうと、行政機関個人情報保護法に抵触する恐れがあります。
なぜ重要か 行政機関が扱う情報は特にセンシティブです。市民の信頼を守るためにも、慎重な利用が求められます。
3. 一般利用者が気をつけたいポイント
最も多くの人が該当する部分です。日常的にChatGPTやGemini、Claudeなどを使っている方は必見です。
- 入力した個人情報が機械学習に使われるリスクがある
- 一度入力した情報が、他の情報と組み合わされて将来的に出力される可能性がある
- 生成AIの回答は「確率的な相関関係」で作られるため、不正確な個人情報が出力される場合もある
おすすめの使い方
- 利用前に利用規約とプライバシーポリシーを必ず読む
- 入力する内容が本当に問題ないか、自分で判断する
- 特に住所・電話番号・顔写真・マイナンバーなどの重要な個人情報は慎重に
OpenAIに対する個別の注意喚起(2023年6月1日)
個人情報保護委員会は、OpenAI社(OpenAI, L.L.C.およびOpenAI OpCo, LLC)に対して、法第147条に基づく個別の注意喚起を行いました。主な内容は以下の2点です。
(1)要配慮個人情報の取得について
- 本人の同意なく要配慮個人情報(人種・信条・病歴・犯罪歴など)を取得しない
- 機械学習用のデータ収集では、要配慮個人情報が混入しないよう最大限努力する
- 混入した場合は即時削除・匿名化などの対応を行う
- 本人や委員会から収集停止の要請があったら、正当な理由がない限り応じる
- ユーザーが「機械学習不使用」を選択した場合は、その入力情報を学習に使わない
(2)利用目的の通知・公表について
- 個人情報の利用目的を日本語で明確に通知・公表する
- 利用者本人だけでなく、利用者以外の第三者の個人情報についても配慮する
まとめと所感
生成AIは本当に便利ですが、「入力した情報は永遠に残るかもしれない」という意識を持つことが大切です。特に2023年当時はまだルールが整っていない時期でしたので、個人情報保護委員会が早い段階で注意喚起を出した意義は大きいと思います。 生成AIを長く使っていると、つい「このAIなら大丈夫」と甘くなりがちです。でも実際は、どのサービスも完璧ではありません。 特に見落としやすいのが利用規約です。生成AIは進化が速く、新機能の追加やモデルの更新に合わせて規約もこまめに改定されます。たとえば、入力した文章や画像が学習データとして使われるのか、生成物を商用で使っていいのか、データの保存期間はどれくらいか、個人情報や機密情報の入力は禁止されているか、といった大事な条件が、気づかないうちに変わっていることがあります。昨日までOKだった使い方が、今日の規約ではNGになっている、というのも珍しくありません。
今では各サービスもプライバシー設定を強化していますが、最終的に自分の情報を守るのは自分自身です。
- 重要な情報は入力しない
- 利用規約を定期的に確認する
- 必要に応じてオプトアウト(学習除外)設定を利用する
この意識さえ持っていれば、生成AIはこれからも強力な味方になってくれます。
他のガイドラインは以下よりご覧ください


