⑬ 行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(DS-920)
⑬ 行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(DS-920)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドライン(DS-920) |
| 発行元 | デジタル社会推進会議幹事会 |
| 発行日 | 2025年(令和7年)5月27日 |
| バージョン | 初版(Ver1.0) |
| 対象者 | 国の政府職員(AI統括責任者〔CAIO〕・企画者・開発者・提供者・利用者) |
| 総ページ数 | 約61ページ(本文40ページ+別紙4種) |
| リンクURL | https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e2a06143-ed29-4f1d-9c31-0f06fca67afc/80419aea/20250527_resources_standard_guidelines_guideline_01.pdf |
内容の詳細な要約
第1章・第2章:背景と目的・適用範囲
G7広島プロセスや国連・OECDなど国際的なAIガバナンス議論の高まりを受け、政府においても生成AI利活用の促進とリスク管理を一体的に進める必要性から本ガイドラインが策定されました。対象はLLMを構成要素とするテキスト生成AIシステムに限定し、画像生成AIやAIエージェント等は今後の拡充対象とされています。特定秘密・重要経済安保情報・安全保障関連情報を扱うシステムは適用外です。令和8年度以降の調達から全面適用(令和7年度も可能な限り準拠)とされています。
第3章:政府における生成AIの利活用方針
各府省庁はAIガバナンス強化と積極的な業務活用を推進する方針です。リスクの低い内部管理系業務はスピード感を持って実装を進め、高リスクが疑われる利活用については「高リスク判定シート」(4軸評価)でリスクレベルを判定した上で先進的AI利活用アドバイザリーボードへ報告する仕組みです。
高リスク判定の4つのリスク軸は以下のとおりです。
- A. 利用者の範囲・種別:国民等による府省庁外利用か、府省庁内単一利用かなど
- B. 業務の性格:国民の権利・安全・生命財産に影響する業務への利活用か否か
- C. 要機密情報・個人情報の学習等の有無:機密性2情報や個人情報が保存・学習されるか
- D. 政府職員による判断介在の有無:出力結果をそのまま利活用するか、職員が判断するか
第4章:AIガバナンス体制の構築
政府全体レベルでは、デジタル庁が事務局を担う「先進的AI利活用アドバイザリーボード」を設置し、AISI(AIセーフティ・インスティテュート)も参画します。同ボードは高リスクAIへの助言・ベストプラクティスの共有・ガイドライン見直し等を担います。また「AI相談窓口」をデジタル庁に設け、各府省庁からの技術的相談に対応します。
各府省庁レベルでは「AI統括責任者(CAIO)」を設置し、デジタル統括責任者または副デジタル統括責任者が担います。CAIOは生成AIシステムのライフサイクル全体を統括管理し、四半期に一度程度アドバイザリーボードへ状況を報告します。
第5章:生成AIの便益とリスク
便益の例として、文書作成・要約・翻訳の効率化、アイデア出し支援、問合せ対応の精度向上、政策文書の質向上などが挙げられています。
リスクは技術的リスク(ハルシネーション、データ汚染攻撃、ブラックボックス化)と社会的リスク(個人情報の不適切取扱い、知的財産侵害、偽・誤情報の拡散、ベンダーロックイン)に分類されています。政府固有のリスクとして、政治的中立性の逸脱、行政判断の根拠の不明瞭化、単一モデル依存によるバイアス定着なども明示されています。
第6章:調達・利活用に係るルール
役割別に対応事項が整理されています。
CAIOは各府省庁内の利活用ルール・リスクケース対応ルールを策定し、AIガバナンスを継続確保します。
企画者は以下の3段階で対応します。
- 企画時:目的・目標の明確化、リスク分析、高リスク案件のアドバイザリーボード報告連携
- 調達時:「調達チェックシート(別紙3)」を参照して仕様書に要求事項を盛り込む。AIガバナンスの構築・有害情報の出力制御・偽誤情報防止・セキュリティ確保・説明可能性確保などが「基本項目」として原則必須。「契約チェックシート(別紙4)」でインプット・アウトプットの権利帰属、リスクケース発生時の事業者義務なども契約に明記
- リリース前:テストシナリオによる入出力検証、利活用ルールの周知、ログ取得体制の整備
提供者はリリース後もモニタリング・保守・リスクケース対応を継続実施します。
利用者はCAIOおよび企画者が策定した各種利活用ルールを遵守します。
生成AIシステム特有のリスクケース(差別的出力・ハルシネーションによる不利益・著作権侵害等)が発生した場合は、CAIOを中心に対応手順に従って対処し、アドバイザリーボードへ報告・ナレッジを集約する体制が整備されます。
第7章:今後の進め方
技術進歩に応じてルールを随時見直すとともに、画像・動画生成AIの来歴証明の導入検討、府省庁間のデータ連携・共通システムによるAIシステム最適化の在り方を令和7年度中に検討し、次回改定に反映させる方針です。
⑬ 行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドラインについて(概要)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | 行政の進化と革新のための生成AIの調達・利活用に係るガイドラインについて(概要) |
| 発行元 | デジタル庁(Digital Agency) |
| 発行日 | 2025年5月 |
| バージョン | 記載なし(初版と推定) |
| 対象者 | 各府省のAI統括責任者(CAIO)、AI企画者・提供者・利用者(政府職員) |
| 総ページ数 | 4ページ(表紙含む) |
| リンクURL | https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/e2a06143-ed29-4f1d-9c31-0f06fca67afc/93b24a4c/20250527_resources_standard_guidelines_guideline_03.pdf |
🔍 3行概要
政府における生成AIの安全かつ効果的な利活用を促進するため、デジタル庁が調達・ガバナンス・利活用の包括的ルールを定めたガイドライン。各府省にAI統括責任者(CAIO)を新設し、リスク管理と推進を一体的に担わせる体制を構築する。2025年5月より運用開始し、調達・契約チェックシートや利活用ルールひな形を通じて、省庁横断での安全なAI導入を支援する。
📋 内容の詳細要約
1. ガイドラインの目的・枠組み
- 目的:生成AIの利活用促進とリスク管理を表裏一体で進めるための政府全体のルール整備
- 対象システム:テキスト生成AIを構成要素とするシステム(特定秘密・安全保障等の機微情報を扱うものは対象外)
- 運用開始:令和7年(2025年)5月
2. ガバナンス体制の構築
- AI統括責任者(CAIO) を各府省に新設し、生成AI利活用の把握・推進・ガバナンス・リスク管理を総括
- 先進的AI利活用アドバイザリーボード を設置し、高リスク生成AIプロジェクトへの助言・再発防止策を担当(事務局:デジタル庁)
- AI相談窓口 を通じ、各府省が安全かつ先進的な生成AI活用を相談できる仕組みを整備
3. 調達・利活用ルール
① 高リスク判定シート
以下の4軸でリスクレベルを判定し、アドバイザリーボードへの助言要否を各省が決定:
- A. 利用者の範囲・種別(国民か職員か等)
- B. 生成AI利用業務の性格
- C. 機密情報・個人情報の学習の有無
- D. 出力結果に職員の判断が介在するか否か
② 調達チェックシート(仕様書作成の参考)
21項目にわたる要件を整理:
- ガバナンス項目:AI事業者ガイドライン遵守、AIガバナンス体制構築、技術動向把握、インシデント対応、教育・リテラシー向上
- 開発・運用プロセス項目:データ取扱い管理、品質確保、ベンダーロックイン回避、アップデート対応、文化的・言語的・環境への配慮
- システム要件項目:有害情報制御、偽誤情報防止、バイアス抑止、目的外利用防止、個人情報・知的財産の適切取扱、セキュリティ、説明可能性、ロバスト性、学習データ品質、検証可能性
③ 契約チェックシート(契約書の取り決め事項)
- 入力データの学習有無・保存方法
- 出力に関する保証・権利帰属
- インシデント発生時の事業者対応義務と範囲(情報・データ提供を含む)
4. 利活用ルールひな形
各府省のCAIOが職員向けに利活用ルールを策定する際の標準雛形:
| 区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 利用前 | リスク理解、機密情報の取扱い制限、国外サーバ利用時のリスク理解 |
| 利用中(入力) | 利用目的の範囲内での使用、個人情報の留意、正確なデータ入力 |
| 利用中(出力活用) | 説明責任の理解、バイアスへの考慮、正確性・根拠の確認、著作権等のチェック・修正、リスクケース発生時の迅速な報告 |
他のガイドラインは以下よりご覧ください
AIガイドライン 18本 構造化インデックス
【一覧】日本政府 AIガイドライン 18本【INDEX】